ヤフトピ砲の威力を実際のアクセス数から解説します
ここ数年で様々なニュースキュレーションサービスが登場しましたが、中でも圧倒的な告知力を維持し続けている王者が、ヤフーのトップページにも掲載されるニュースコーナーいわゆる「ヤフートピックス」であります。
正確にいえば1日約3,000件アップされるヤフーニュース内で、ヤフー編集部が人力でピックアップする各7カテゴリー(ニュース/経済/エンタメ/スポーツ/国内/IT・科学/地域)に掲載されるトップニュースの中で、TOPページに初期表示される「ニュース」欄に掲載される8本のニュースのことを、ここでは「ヤフートピックス」と呼ぶことにします。
ヤフートピックスに取り上げてもらう方法
【方法①】直接ニュースとして取り上げてもらうパターン
ヤフーニュースそのものへの掲載方法は以前の記事にも書きましたが、王道はニュース提供会社を狙い、そこで記事にしてもらった上で、ヤフーニュース編集部にトップページまでピックアップ掲載してもらうという方法です。
オーソドックスな方法であるが故、この手法で特に知名度の低い企業が、戦略的にそのまま掲載されるパターンは極めて極めて稀です。
2014年に放映された、NHKプロフェッショナル「仕事の流儀」では、ユニバーサルスタジオジャパン・盛岡毅さんの回で、ヤフートップを狙いながら、実際にリアルタイムで掲載となる貴重な瞬間が映されているので参考になります(現在もNHKオンデマンドで視聴可)。
【方法②】ヤフトピの関連情報として取り上げてもらうパターン
ヤフーニュースは、人的なキュレーションメディアでもあります。ただニュースを一つ掲載するだけでなく関連情報も幅広く伝えるため、詳細記事リンクの下部に「詳しく知る」というコーナーを用意し(アプリでは左スワイプで表示)、関連情報を2~4サイトほどリンク掲載しています。
先日、当ブログもこのコーナーにおいて、下記記事がヤフートピックスの関連情報に掲載されました。お客様の事例は守秘義務等で情報が出せないのですが、このブログの数字は開示できますので、その時の実際のアクセス数を元にその威力を解説していきたいと思います。
掲載までの流れとしては、まずヤフーニュース提供会社の一つ「R25」が掲載した記事がヤフートピックスに掲載となり、その関連情報として4つの関連情報の一つとして当ブログ記事が掲載されました。
クリック後のページの「詳しく知る」に掲載
時速1万アクセス
当ブログは通常1日100ユーザー程のしょぼいブログですが、ヤフーに掲載された結果、リアルタイムで常時800人以上が継続的にアクセスするようになり、ヤフートップに掲載されていた約5時間で、5万件以上のアクセスがありました。
イケダハヤト氏や徳力基彦氏のブログでは、ヤフトピリンク掲載でリアルタイム2,000アクセス超えをしており、800~2,000アクセス辺りがヤフトピ関連掲載のリアルタイム訪問平均値であると考えられます。
高知に引っ越すだけなのに、ヤフトピに載ってしまった : まだ東京で消耗してるの?
[徳力] グノシー砲も凄いんだけど、やっぱりヤフトピ砲は桁違いの凄さだった件について
トップから外れるとナイアガラ状態
実際にトップページ(ヤフトピ)掲載となっていたのは5時間程でした。
一旦トップから外れるとすぐに埋もれるわけではなく、トップページ「ニュース」欄の横の「国内」欄のトップ8件に表示されるようになります。
この欄もかなりのアクセス数があると思われますが、やはりトップ掲載ほどの威力はなく、アクセスはナイアガラ状態で下がっていっていきます。このアクセス数から、トップに表示される「ニュース欄(ヤフトピ)」は、他カテゴリートップの10倍以上の閲覧数があることが推測されます。
結果、ヤフトピ砲で1日5万アクセス
2週間以上たった現在も、ヤフーニュース経由のアクセスは継続的にあり、ヤフーが抱えるユーザー数には驚かされます。
■ヤフトピ関連砲に掲載してもらうコツ
①ブログを活用する
営利目的のコーポレートサイトはまず関連リンクされませんので、ブログを活用して“みんなゴト”となりそうな関連情報を、情報が広がる少し前からアップしておくのが重要です。データ分析や解説記事などは比較的取り上げられやすい分類かと思います。
なお、はてはブログはSEOにも強く、多くのアクセスにも耐えられるようなのでツールとしてもおすすめです。
②SEOを工夫する
ヤフー編集部も人的に情報を集めていますので、グーグルやヤフーで見つけてもらう必要があります。特に流行ネタに乗るのであれば、SEOが効いてくる期間を考慮して2~3日は早めにアップしておく必要があります。
ブログでのSEOは諸説あるようですが個人的には、
- タイトルに検索させたいワードをしっかり入れた上で短くまとめる
- descriptionタグを短く明確に述語を入れCTRを上げる
- 見出しタグ(H1・H2・H3)を論理的に配置し直帰率を減らす
- コンテンツを充実させる(時間をかける)
- キレイな日本語を使う(岡本夏生、みたい、な、文章は、つか、わない。)
などが有効なポイントかと感じています。
SEOに関してはグーグル発表の資料が参考になります。
また、タイトル作りに関してはコピーライター・ジョン・ケープルズが生み出した法則などを活用すると効果的かと思います。
最近では神田昌典さんがジョン・ケープルズなどのコピーライティングテクニック2,000ページ分のポイントを1冊にまとめた本が出ているので非常に参考になります。
最強のコピーライティングバイブル――伝説の名著3部作が1冊に凝縮! 国内成功100事例付き
- 作者: 横田伊佐男,神田昌典
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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③続ける。続ける。とにかく続ける。
プレスリリースでもブログでもそうですが、少しやっただけで効果がないと諦め、やめてしまう企業の方が非常に多いです。
コントロールが可能な広告メディアと異なり、広報・パブリシティ的な『アンコントローラブル』な世界では、諦めず戦略を工夫しながら、継続的に活動を続けることがなによりも重要となります。
コントロールできない世界だからこそ、狙いがいがあるというものです。
ヤフトピ砲はしばらくはネット最強の告知方法だと思われます。プレスリリースを出すのはもちろんのこと、ブログからヤフトピ砲を狙うというのも一つの手段として有効になってくるのではないでしょうか。
若冲展ブームのキャズムはどこで起きたのか
今や平日でも3時間待ちが当たり前。
東京都美術館で現在開催されている伊藤若冲展が空前の大ブームとなっています。
実際に誰が並んでいるのか
生誕300年を節目に300分待ちもあり得る偉人、伊藤若冲。
この展示会のメインターゲットは、平日でも昼間から多くの方が並んでいることから推測するに、リタイア後の65歳以降の団塊世代夫婦、もしくは非常勤雇用や専業主婦の中高年女性友達グループといえるでしょう。
まるで土曜のオープン前の魚三酒場かのように年配層がわくわくしながら並んでおり、シニア層のディズニーランド化しています。
しかし、美術に関してはマジョリティ層がとりわけ多い気がします。つまり「若冲を見たい人」ではなく「なんか凄いものを見たい」人たちです。
彼ら彼女らは、大前研一氏もよく言うように自分をシニアだとは微塵も感じていませんし、2時間くらい炎天下で並ぶ体力も自負しており、歩くスピードも若者よりもむしろ早い。健康維持のため、あえて早歩きを心がけており、山にも定期的に行く。
彼らの多くはスマホを持っているものの、iPhoneの比率は低くドコモのアンドロイド端末を保有しているケースが多く、未だに”なんとなく”ソフトバンクを信用していないような方々だったりもするようです。
世代間の傾向をまとめた「世代論の教科書」でも解説されているように、この世代は第一次テレビっ子とも言われ、テレビとの親和性が非常に高い(テレビが効く)のが特徴らしいです。
日本初! たった1冊で誰とでもうまく付き合える世代論の教科書―「団塊世代」から「さとり世代」まで一気にわかる
- 作者: 阪本節郎,原田曜平
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/10/02
- メディア: 単行本
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同書には、この世代の特徴として「新しいもの好き」、「みんなが価値を認めるものが好き」、「みんなのマネをする」、さらに夫婦共に消費できる「エスコート消費」をするなども特徴も書かれています。
夫婦共に300年に一度の美を鑑賞するというのは、まさしくエスコート消費とも言えるでしょう。
NHKスペシャルが起爆剤!?
このブームはどこから火がついたのでしょうか。
実際の検索キーワード数と来場者数をグラフ化してみました。
来場者数の実数は不明のため、公式Twitter発表によるその日の最大待ち時間を指標としています。
まず、展示スタート4月22日の翌々日、NHKで特番が組まれます(NHKは主催者)。
その結果、検索ワードが約4倍に膨れ上がります。しかし、その翌日4月25日は美術館の休館日であり、結果「焦らし戦略」ともいえる結果となり、翌26日の待ち時間は1.6倍に増加しました。
美の巨人たちが後押し
その後、ゴールデンウィーク中の4月30日、テレビ東京の「美の巨人たち」で取り上げられた結果、5月2日には初の待ち時間100分を超え、同時に10営業日にして、来場者数10万人を突破しました。
そしてGW終盤、「美の巨人たち」で2回目の連載放映がされました。
その後、またしても休館日を経て、作品の入れ替えを行ったところ、5月11日には200分待ちまで行列が増えました。
「NHKスペシャル」でマジョリティー層への認知度を一気に上げ、「美の巨人たち」で実際の来館行動を促した、といえるのではないでしょうか。
若冲ブームのまとめ
- 300年に一度、31日しかないという希少性
- 団塊世代の右ならえ気質とエスコート消費
- NHKなどマスメディアによる認知拡大とお墨付き感
- 休館日による焦らし効果
- 混雑しているという社会的証明
- 「一旦並んだからには」というコミットメントと一貫性
などが要素として挙げられるのではないでしょうか。
どこまで伸びる、若冲展
5月18日(水)はシルバーデーにつき、65歳以上は入館料無料となります。
何人が並ぶことになるのでしょか。
また20日には「ぶらぶら美術・博物館」での特集も予定されており、全31営業日で50万人は超えるかもしれません。
それでも行くぞという方は、平日朝一で並んで入るのが一番オススメだと思います。8時くらいから並べば、徐々に進みながら10時あたりには入館できるのではないでしょうか。
熱中症にはくれぐれもお気をつけください。