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PRのネタ帳

ガーオンのPRプランナーが、広報・PRに取り組まれる方に役立ちそうな情報をお届けします

とある鍼灸師の増税対策と大手企業のPR戦略

事例

ある有名な鍼灸医院が4月からの増税に合わせてこんな掲示をしているのを見かけました。

================
4月からの消費税増税に伴い、やむなく下記の料金設定をいたします。
1回:5,000円(税込)→6.000円(税込)
================

ん!?高くね?便乗値上げ??ごまかし???

この説明だけではパッと見、こう思われてしまいますね。

この鍼灸医院は予約も難しく、かなりの有名店です。
集客にも苦労していません。

しかし、このタイミングで増税を口実にした必要以上の値上げをする必要があったのでしょうか。

例えば5,000円が税込価格であるので、内訳は4,761円(税別)+239円(消費税5%)となるでしょう。
単純に8%に上がれば、4,761円(税別)×1.08=5,141円(141円UP)
来年の10%の際でも、4,761円(税別)×1.1=5,237円(237円UP)

しかしこのタイミングで、増税を理由に何故か(1,000円UP)をやってしまいました。

仕入れ原価の少ないサービス業ですが、価格を20%もこのようにごまかしながら値上げすると、これまでの大事な顧客を失ってしまうかもしれません。

その場合どうなるのでしょうか。

床数や単価、想定回転数などから勝手に想定して計算してみると、単純に価格を1.2倍(5,000円から6,000円へ)にした際は、顧客数が1.5割減少しても売上は上がるという結果がでました。

しかし、、、
顧客が2割減少してしまうと売上
は下がってしまう計算となりました。


f:id:kohopr:20140315230428p:plain

 

増税をPRにどう活用するか

この鍼灸院は、15%~20%の顧客損失の間に今回の値上げの損益分岐があり、そこを短期的な目標として、この機会にあえて狙ってやっているのかもしれません。

ただやはり、この値上げの理由の際の上記説明文章が、非常にPR下手だったと思います。

ここは、同じ1,000円アップするのであっても、

  • 4月以降も企業努力で価格は据え置くと発表
  • 4月後、マスコミで増税で四苦八苦ネタが報道され、少し世間が穏やかになったら「原価や人件費のコスト上昇により、やむおえず値上げする」と発表
  • そして、同時にこれまでの感謝として、2015年10月の10%増税時はこのまま据え置くと前置きで発表してしまい、2015年いっぱいは価格を据え置く

これで1,000円(20%)の値上げはもっと上手くいくのではないでしょうか。

ものは、言いようとタイミングだと思います。

大手の増税対策PRとは

さて、では大手各社がこのタイミングでどのように増税を利用したPR戦略を行っているか確認してみましょう。

 ●てんや
てんや 500円天丼を据え置き 消費税増税後も「訴求力のある商品なので」 ― スポニチ Sponichi Annex 社会

●カインズ
カインズ、PB全品価格据え置き 消費増税後 :日本経済新聞

プレナス
プレナス、弁当店「ほっともっと」主力商品価格据え置き :日本経済新聞

●ケンタッキー
日本ケンタッキー、チキン価格据え置き 消費増税後も :日本経済新聞

コスモス薬品
コスモス薬品、消費増税後も価格据え置き : 最新ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

●すきや/はなまるうどん/ケンタッキー/しまむら/無印良品/イオン/マルイ/高島屋/東急百貨店
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000023192.html

PRの観点だけで言えば、据え置きによる各社のコストは、今までの無駄な広告費を削減すればかなり軽減できるかもしれません。

特に増税の際の便乗値上げは消費者はしっかりと気づきますし、顧客維持のベストタイミングでもあるかと思います。

2015年10月、消費税10%になったとき

短期的な便乗値上げはイメージも悪く、リピーターも減ってしまうことでしょう。

しかし、例えやってしまっても日本人は数ヶ月経つと色々と忘れてしまう生き物です。

今回のマスコミ報道をベースとして、2015年10月の再増税をPR活動に活用するための新たなPR策を今から練っておけると良いかもしれません。

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