PRのネタ帳

ガーオンのPRプランナーが、広報・PRに取り組まれる方に役立ちそうな情報をお届けします

調査PRは”空気作り”にも最適!?

f:id:kohopr:20171024194530j:plain

普段スーツを着ているビジネスパーソンに、明日からジーンズを履いてもらうには、”世の中の空気”を変えていかなくてはなりません。

エジソンはトースターを売るために、メディアを使い「健康のためには1日2食ではなく3食」というキャンペーンを展開、1日3食の文化を”常識“として根付かせ、トースターを世界中でヒットさせたのは有名な話です。

日本のビジネスファッション界では昔はクールビズ、最近ではスポーツ庁が推奨するスニーカー通勤など、ビジネス上のファッション変換期には、賛否両論が起こりながら(起こしながら)、次第に空気が形成され、少数派だったものが多数派となり常識に変わっていきます(もしくは失敗)。 

f:id:kohopr:20171024220428j:plain

そうした中、ユニクロ社では職場でのジーンズ着用の空気感を醸成するため(と想定される)の、「職場でのジーンズ着用」に関する調査PRを実施していましたので、実際のニュース露出を元に、どのようにメディアが報じたのか分析してみたいと思います。

各社メディアはどう伝えたか時系列でチェック

リリース公開からメディア掲載まで時系列でみていきます。

2017/10/7
■1,000名を対象にネットリサーチで職場のジーンズ着用に関して調査開始

10/19
■プレスリリースで結果を公開
全国の20~59歳男女1,000人への意識調査 ビジネスシーンでのジーンズはアリかナシか!? 「ビジネスシーンでもジーンズを穿いても良いと思う」75.6% - UNIQLO ユニクロ

リリースタイトルには、ジーンズ着用に対して好意的な「ビジネスシーンでもジーンズを穿いても良いと思う 75.6%」を記載

同日
■日経電子版に掲載


■ニューズピックスでピックされる
仕事で「ジーンズ」着用はアリ? 社会人の見解は……

堀江貴文氏もコメント

10/20
■ホウドウキョクに掲載され、ヤフーニュースに掲載 


10/21
DIME掲載
ビジネスシーンでもジーンズを穿くのはアリ?|@DIME アットダイム


10/23
マイナビニュース掲載
"職場でジーンズ"はあり? なし? - 働く男女7割超の回答とは? | マイナビニュース


10/23
日経MJに掲載

アンケートで世論を可視化し、ニュース化する調査PR

アンケート調査を実施することで、対象者層の現在の「意識」や「実態」の分布を数値化し、見える化することで、新たなニュースソースとしての「PRネタを作り、メディアへ提供し記事掲載を狙うのが一般的な「調査PR」といわれるものになります。

そこには社名の露出(ブランディング)から、今回のような意識醸成まで様々な狙いがあります。

f:id:kohopr:20171024194505p:plain

こうした、人の意見や行動などは最終的には、全てベル型曲線の正規分布に帰着すると言われています。 

ユーザー層をこの正規分布に当てはめてたのがキャズム理論であり、利用率や普及率が全体の16%を超えたときに、世の中に急速に定着すると言われています。

f:id:kohopr:20171024195127j:plain

 

今回の調査では、
「多くの人(47%)が職場でジーンズを履きたいと思っているが、実際には24.4%しか履けていない(ギャップあり)。その理由としては大半が『なんとなく』や『職場の空気』『周りの目』を挙げている一方、(自分たちでは)7割以上がジーンズ着用には問題ないと認識している。」
という結果となっています。

実際に24.4%がジーンズ着用して出社しているとすると、ビジネスパーソンの4人に一人がジーンズを履いて出社しているわけで、これはすでに「職場ジーンズ」のキャズムの壁を超えたのだとも言えてしまうのかもしれません。

ただ新橋を見ればわかるように、実際の壁はまだまだというのが状況なのかもしれませんが…

調査PRのポイント

長くなりましたがここでPRに戻り、調査PRのポイントを5つに絞ってみました。

ポイント1.ターゲットに”自分ゴト化”してもらえる身近な内容を調査テーマに設定する

今回のテーマは「職場での服装」でした。

時代背景として「働き方改革」や「ビジネス・カジュアル」「スニーカー通勤」などが話題となっている中で、ターゲットも広く、時代性にあった内容であったかと思います。

調査PRのテーマはあまりにニッチなテーマにしてしまうと、メディア側も読者を考えた際に、ニュースとして捉えてもらえない可能性もあります。

なるべくターゲットは広く、なかなか数値化されてない但し関心は高いテーマを設定し、
商品・サービスが売れるための空気作りに繋げるための設計をしていくことがポイントとなるでしょう。

ポイント2.アリ?ナシ?賛否両論ネタでSNS上で議論(コメント)させる

今回のネタもツイッター上で多く取り上げられており、そのコメントの多くが「アリだ」「ナシだ」「いや職種によるだろ」などという”ツッコミ”でした。

当たり前の結果を発信するのでなく、賛否両論が起こる着地を狙うことで、議論の活性を呼び情報拡散に繋げられます。

ポイント3.記念日などに合わせ情報のニュース性を高める

今回は調査実施のタイミングとして、10月26日の「デニムの日」に合わせて調査・発表しています。

記念日や季節性などに絡めて発表することで、「何故今取り上げるのか」という季節ネタとしての根拠も訴求することができます(メディアも記事が書きやすい)。

ポイント4.第三者のコメントで客観的要素を持たせる

今回のプレスリリースでは、企業単独のコメントで終わるのではなく、服装心理カウンセラーの方の客観的なコメントも盛り込んで発信しています。

こちらの過去記事にも記載しましたが、ワイドショーやニュース番組がアナウンサーだけでなくコメンテーターの意見を重宝するように、「第三者意見」をうまく取り入れ、専門家目線での客観的意見を取り入れた内容にすると、メディアも取り上げやすくなるようです。

今回は、なぜ職場ではジーンズを履かないのかという理由分析として、「ビリーフ」 という言葉を使い「論理的理由ではなく、正しいと信じている思い込みや価値観(つまり間違っている)」であると分析しているのがとても興味深いところかと思います。

つまりスーツを着るのは実は日本人特有の思い込みで論理的根拠がない(もっといい服があるぞ!それはジーンズかもよ |ω・`)チラ)ということです。

これをメーカーの立場で言ってしまっては、客観性が出せず信用してくれませんので『第三者意見』をうまく活用することが重要となります。

「第三者の声」のチカラについてはこちらでも記載させていただきましたように、チャルディーニの研究が興味深いです。

ポイント5.空気を大きく変えるためには業界や社会全体で取り組む

今まで常識であった空気を本当に変えていくには、企業1社単独の動きでは困難であり、業界全体で取り組む必要があるかと思います。

今回は伊藤忠商事も「脱スーツ・デー」に取り組んでいるということで、日経電子版の記事には2社の取り組みとして、大きく記事掲載されているのが分かります。

1社だけの動きではなく、全体の動きとしてPRすることで、その社会的影響力と意義は高いニュース性としてメディアにも、消費者にも伝わることでしょう。

 

さて、こうした脱スーツの動きを踏まえ、当然スーツ業界からの反発も想定されるでしょう。

働き方改革とファッションの関係性がどのように今後消費者に浸透し、空気感が変化していくのか、興味深く見守りたいところです。

日経新聞に掲載されるための4つの手法

f:id:kohopr:20170818083233p:plain

どの企業からも「取り上げてもらいたい!」といわれるメディアの筆頭が『日経新聞』です。

日経新聞の発行部数は2017年現在で、紙面が2,718,556部。増えてきているのが電子版のユーザーで、こちらが546,877ユーザーとなっています。

さらに関連媒体として、日経新聞の情報をさらに深掘りし主に産業系(モノ)情報を扱う「日経産業新聞」(601,000部)、流通系情報を扱う「日経MJ」(512,000部)、金融系情報を扱う「日経ヴェリタス」(62,000部)と続きます。

他の全国紙と異なり、ヤフーニュースやスマートニュースなどのネットキュレーションサービスに情報提供していないことなどが特徴となります。いくら日経新聞に載っても、ヤフーニュースには取り上げてもらえませんのでご注意ください。ヤフーに日経グループ経由で載せるには雑誌(日経BP社)から攻める必要があり、「日経WOMAN」や「日経DUAL」「日経トレンディネット」などに載せる必要があります。

日経新聞に掲載されるための方法 

1.リリースを郵送でしっかり送る

日経新聞は基本的に郵送でのリリース受取を推奨していますので、特定の担当記者がいない場合は部署宛に郵送でリリースを送るようにしましょう。なお一般的なリリース配信代行サービスはメールもしくはFAXでしか送れないことが多いので、ご注意ください。

一般的な企業情報(商品・サービス)であれば、送付部署は「編集局 企業報道部」で良いかと思います。新商品の場合は「日経MJ」に新商品コーナーがあるため、こちらもターゲットとなります。

2.担当記者とのネットワークを強める

上場企業であれば担当記者が1名は付くと思いますので、リレーションを大事にし、情報提供をしっかりと行いましょう。 

日経新聞に情報を先出しする、いわゆる「日経ファースト」を日経記者は好みます。「日経ファースト」に関しては、週刊ダイヤモンドでも否定的報道がされており、他メディアからは否定的な見方が多いので若干注意が必要です。

最近であればメルカリの上場を報じた事例が挙げられます。

スクープの裏側 読者が絶対に知らないリーク依存症という重病 | 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ | ダイヤモンド・オンライン

賛否両論ありますが、自社の広報戦略と照らし合わせて対応策を取られると良いでしょう。

中小企業はどうする

未上場企業でこれまで日経新聞の記者とリレーションの無い場合は、記者をゼロから探さなくてはなりませんので、過去記事をリサーチしたり、部署宛のリリースを送りながら、初回の問い合わせを狙うことがスタートとなるでしょう。

過去記事を探すには日経テレコンが便利です。 

3.日経BP社の雑誌から狙う

日経産業新聞などでは、「日経BP専門誌から」というコーナーがあり、「日経エコロジー」や「日経トレンディー」、「日経コンストラクション」といった日経BP社の専門誌の記事をそのまま転載活用する場合もあります。

専門誌で部数が少ないからとPRを疎かにせず、日経グループの専門誌へのアプローチを強化しましょう。

4.自社の調査データを活用する

新サービスや新商品の情報なんてそんな滅多にない!

特集や企画提案するようなアプローチは難しくてできない!

 そんなときは、インターネットリサーチなどを活用し、調査結果を記事ネタとして提供するいわゆる「調査PR」を活用するのも一つの手です。 

市場の傾向はそれだけでニュースにしやすく、社名の露出や世間の傾向をユーザーに気づかせて、ニーズを少しづつ醸成することに繋がります。 

掲載イメージに関してはこちらなどで詳しく解説しています

調査PRのヤフートピックス掲載事例 - PRのネタ帳

 

弊社ではこうした調査PRをまとめてサポート「PRナビ リサーチ」を提供しています。

ご興味いただければお気軽にご連絡ください。